アップルはスティーブ・ジョブズの証言を秘密にしたい

アップルはスティーブ・ジョブズの証言を秘密にしたい

アップルは、故スティーブ・ジョブズ氏の証言録取の要請に異議を唱えている。この証言録取は、アップルとユニバーサル ミュージック グループ(UMG)との関係に関するものだ。アップルは、この証言録取によって企業秘密が明らかになり、同社に損害を与える可能性があると主張している。

マッシュブル:

ユニバーサル ミュージック グループと、ロブ・ゾンビやリック・ジェームスの遺産管理団体を含むミュージシャンとの間で提起された集団訴訟では、UMGがデジタルダウンロードと着信音の著作権使用料を過少に支払っていると主張している。アーティスト側は、こうしたダウンロードを「販売」ではなく「ライセンス」として扱い、より高い著作権使用料率を適用するよう求めている。

原告は、アフターマス・レコードに対する以前の訴訟の一環としてジョブズが2010年に提出した証言録取書について、証拠開示請求を提出した。アフターマスはUMG傘下のレコード会社であり、エミネムの楽曲を多数制作しているFBTプロダクションズから訴訟を起こされていた。

この裁判の争点は、デジタル音楽をどのように扱うべきか、つまり販売かライセンスかという点だった。レコーディング契約では販売とライセンスの支払い方法が異なるため、この区分は重要だった。多くの契約はデジタルダウンロードが普及する前に作成されたものだ。

第9巡回控訴裁判所は下級裁判所の判決を覆し、原告の主張を支持し、「当事者間の契約は、デジタル音楽を『販売』ではなく『ライセンス』として扱うものと解釈されるべきだ」と述べた。

UMGは、控訴裁判所の判決はその特定の事件と契約にのみ適用されると述べている。

ジョブズ氏が証言を行った際、裁判官はUMGの従業員を含む多くの人々を法廷から退出させた。陪審員に証言録取が読み上げられると、法廷は再び閉廷となった。

Appleは、現時点では証言録取は不要だと主張している。同社とレコード会社との協議内容を含む可能性のある文書の公開は、同社の事業(iTunes)に重大な損害を与えると主張している。

こうした情報の公開により、ミュージシャンは交渉がどのように進められるかをある程度把握できることになるが、同時に、アップルの競合他社は、アップルがiTunes Music Storeやレコードレーベルに対してどのような立場を取っているかを知ることになるかもしれない。