元アップル幹部のジャン=ルイ・ガセ氏はMonday Noteの記事で、アップルは実際には何も発明していないと述べ、フランスのカフェでウェイターとしてドレッシングやマヨネーズを作っていた時の逸話を交えて、かなり物議を醸す(しかし妥当な)発言をした。
ガッセ:
毎日、サービスが始まる前に、小さなカートで押して回るオードブル(フランス語で前菜)用の調味料であるビネグレット、レムラード、マヨネーズを作るのが私の仕事です。だから、シェフが「ムッシュ・ヴォワチュール」とくすくす笑うのです。
ビネグレットソースとレムラードソースは問題ないの ですが、マヨネーズは私の味方ではありません。私が作ったソースは毎日「分離」し、シェフに叱責されるのです。
[…]
明らかに、このエピソードは印象に残っており、iPad を初めて見たときに思い出されました。
業界は30年間、タブレットの開発に取り組み続け、そしてあまりにも頑張りすぎた。 デバイスは次々と凝固していった。アラン・ケイのDynabook、Go、Eo、GridPad、Microsoft搭載の様々なタブレットPC、そして90年代初頭のAppleのNewtonまで……どれも凝固せず、何も定着しなかった。
そして2010年1月、シェフ・ジョブズがiPadを持ってステージに登場し、すべてが一目瞭然となり、容易になった。30年にわたる失敗は忘れ去られた。
つまり、基本的な要素に絞れば、Appleは何も発明していないと言えるでしょう。Apple ][も、Macintoshも、iPodも、iPhoneも、iPadも…Apple StoreやApp Storeも言うまでもありません。私たちはそれらすべてを、何らかの形で、以前から見てきました。
彼が的確な指摘をしているので、記事全体を読む価値があります。Appleは発明家ではありませんが、革命を起こし、それが他社と一線を画す要因となっています。
彼が言うように、iPadが登場する前からタブレットが存在していたこと、iPodが登場する前から音楽プレーヤーが存在していたことは誰も否定できない。しかし、Appleはそれらをあまりにも大きく変えてしまったため、以前の姿とは見分けがつかないほどになってしまった。Appleは発明したのではなく、再発明したのだ。