アップル、メディア幹部にテレビ事業計画を示唆

アップル、メディア幹部にテレビ事業計画を示唆

ウォール・ストリート・ジャーナルは、Appleのテレビ計画についていくつかのヒントを提供している。ここ数週間、Appleの幹部は複数の企業のメディア責任者に対し、テレビの未来像を明らかにしている。

アップルHDTVこのプロジェクトに詳しい関係者によると、アップルは映画やテレビ番組などのコンテンツにアクセスするためにワイヤレスストリーミング技術を使用する独自のテレビを開発中だという。

WSJは次のように報じている。

協議に詳しい関係者によると、メディア企業との最近の会合で、エディー・キュー上級副社長を含むアップル幹部らは、携帯電話、タブレット、テレビを通じてユーザーを認識できるアップルの技術の新たな方法を概説した。

関係者の1人によると、少なくとも1回の会議で、アップルはユーザーの声や動きに反応する将来のテレビ技術について説明したという。アップルは、この技術は他の構想よりも時間がかかる可能性があると示唆しているが、この技術によって、ユーザーは音声で番組を探したりチャンネルを変えたりできるようになるかもしれない。

Appleは計画について「曖昧」な姿勢を崩しておらず、具体的にどのようなデバイスやソフトウェアを開発しているのかについてはほとんど語っていない。しかしながら、Appleはこのプロジェクトを着実に進めているという印象だ。同社は通常、公式発表があるまで、アイデアや製品を可能な限り秘密にしておく傾向がある。

WSJはさらにこう報じている。「アップルがメディアパートナーとの交渉を活発化させているのは、同社が音楽業界や携帯電話業界を変革したのと同様に、消費者のテレビ視聴方法を変えるという同社の戦略の一環である。事情に詳しい関係者によると、ジョブズ氏は、より使いやすく、よりパーソナライズされたテレビを作るために、アップルのモバイル機器で操作できるテレビの開発を構想していたという。

同社は長年にわたりプロトタイプの開発に取り組んできた。ジョブズ氏は10月に亡くなる前、伝記作家のウォルター・アイザックソン氏に「ついに解決した」と語ったと、アイザックソン氏の著書には記されている。

事情に詳しい情報筋によると、Appleが開発中のテレビデバイスは、Appleのワイヤレスストリーミング技術であるAirPlayのバージョンを採用し、ユーザーがiPhoneやiPadから操作できるようになるという。デバイスの販売開始時期や、地上波放送やケーブルテレビの信号を受信できるかどうかは不明だ。

アップルの幹部たちは、そのようなデバイスに対する同社の計画がどのようなものなのか疑問を抱いていた。昨年、同社の「トップ100シニアマネージャー会議」で、あるメンバーがスティーブ・ジョブズに、アップルは本当にテレビを開発しているのかと尋ねた。ジョブズは、利益率が低く、消費者はそれほど頻繁にテレビを買わないことを理由に、参入するのは得策ではないと答えた。