Appleに関する素晴らしい話、そして同社とその様々な製品がどのように開発されたのかを聞くのが大好きです。そして、Appleのグラフィックデザイナーであるスーザン・ケア氏によるこのエピソードは、他のどのエピソードにも劣らず興味深いものです。今週は、Macでよく使われるフォントの名前の由来を探ります。ご想像の通り、スティーブ・ジョブズが深く関わっていました。
Apple のグラフィックデザイナー、スーザン・ケア氏は次のように回想しています ( Folklore.org経由) :
ビットマップグラフィックデザイナーとしてMacintoshグループに配属されたのは、私にとって幸運な転機でした。仕事の中で特に面白かったのは、スクリーンフォントのデザインでした。Macintoshではプロポーショナルフォントが表示可能だったため、細い「m」と太い「i」の文字が並ぶ等幅フォントの煩わしさから解放され、特に楽しかったです。
最初のMacintoshフォントは、ギザギザの斜線のない太字のシステムフォントとして設計され、当初は「Elefont」と呼ばれていました。フォントの種類が多数になる予定だったので、魅力的で関連性のある名前を探していました。Andy Hertzfeldと私はフィラデルフィア郊外の高校で知り合ったので、他のフォントにはパオリ・ローカル通勤電車の停車駅にちなんで名前を付け始めました。Overbrook、Merion、Ardmore、Rosemontなどです。(Ransomだけはこの慣例を破っていました。文字が不揃いなフォントで、切り抜き文字で作られた誘拐犯のメッセージを想起させるものでした。)
ある日、スティーブ・ジョブズがいつものように一日の終わりにソフトウェアグループに立ち寄りました。メニューに並んだフォント名を見て、彼は眉をひそめました。「あれは何だい?」と彼は尋ねたので、私たちはパオリ・ローカルについて説明しました。
「まあ」と彼は言った。「都市は悪くないが、誰も聞いたことのないような小さな都市はダメだ。世界クラスの都市であるべきだ!」
こうして、シカゴ (エレフォント)、ニューヨーク、ジュネーブ、ロンドン、サンフランシスコ (ランサム)、トロント、ヴェネツィア (ビル・アトキンソンのスクリプトフォント) の名前が付けられました。
こうして、今日私たちが知っていて愛しているフォントはすべて名前の由来となったのです。とはいえ、「Ransom」というフォントもなかなかクールだったでしょうが、きっと探せば、それ以降に同じ名前で作られたフォントが見つかるはずです。