中国国家新聞出版広電総局(SAPPRFT)の子会社は、1994年に初放映された戦争プロパガンダ映画のオンラインストリーミング配信によって「莫大な経済的損失」を被ったとして、Appleを提訴した。SAPPRFTは、問題の映画を実際にストリーミング配信したストリーミングサービス「優酷土豆(Youku Tudou)」も提訴している。また、Youku HDアプリの開発元である合益信息科技(Heyi Information and Technology)も訴訟に名を連ねている。
海淀区人民法院に提起された訴訟は、アップルが映画「雪博地曳」(ざんぼうじょう)の違法ストリーミング配信を可能にしたと訴えている。映画「雪博地曳」(ざんぼうじょう)は、大まかに訳すと「獰猛な敵との血みどろの戦い」を意味する。同作は映画衛星チャンネル番組制作センターによって制作され、1930年代の日本による満州侵攻と占領を舞台としている。
訴訟では5万元(約7,500米ドル)の損害賠償を求めており、Youku HDに対し映画のストリーミング配信を停止するよう求めている。SAPPRFTはさらに、この訴訟に関連する「合理的な費用」として2万158元の追加賠償を求めている。
この新たな訴訟は、Appleが中国で直面している一連の法廷闘争の最新の事例に過ぎない。中国の特許法および商標法の規定により、同社は中国における特許侵害訴訟の標的として頻繁に利用されている。
Appleは最近、中国の裁判所が革製ケースメーカーに有利な判決を下したことを受け、「iPhone」商標の独占権を失った。このメーカーは2007年にこの商標を登録していたが、これは同名のスマートフォンが発売された年であり、Appleが電子製品としての商標登録を申請してから5年後のことだった。
6月、中国の裁判所はアップル社に対し、iPhone 6が自社のデザイン特許を侵害していると主張していた、事実上倒産した中国の携帯電話メーカー、百里社が所有するデザイン特許をアップル社が侵害しているとの判決を下した。
Appleは中国政府からの問題にも直面しており、4月には中国国家新聞出版広電総局の命令により、中国本土でのiTunes MoviesとiBooksストアが閉鎖された。
(AppleInsider経由)